ことばの百科店

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たい焼は頭で食べる

えっ!デパートの屋上からおしっこ ? 
まあ、なんと迷惑で非常識な行いですこと・・・道路へ向かってジャージャーなんて。
いえ、違うんです、そうじゃないんです。屋上にあるトイレで用を足しただけなんです、彼は。
夏には屋上ビアガーデンを開店するような大きなデパートですから客用のトイレくらいちゃんとあります。 じゃあ、なぜ「屋上からおしっこ」なんて言ったんですか?

鳥取県(兵庫県北部の一部を含む?)では「どこそこで」という場面で「どこそこから」と言います。「校庭で遊ぶ」を「校庭から遊ぶ」、「居酒屋で呑む」を「居酒屋から呑む」、「ホテルで一泊する」を「ホテルから一泊する」という具合です。ですから、さきほどの「屋上からおしっこ」も全く同じパターンで「屋上で・・・」というだけの意味です。別に非常識な行為ではありません。

しかし、他府県の人と話していて怪訝な顔をされたり、指摘を受けたりすると「・・・から」と言わずに「・・・で」と言わなきゃという意識が生じてきます。他の記事でもご紹介している「モジク現象」です。("「モジク現象」とは?”)その結果どうなるか、おわかりでしょうか。

「田舎から野菜を送ってきた」が「田舎野菜を送ってきた」になりますし、「たい焼を食べるときは頭食べる? それとも尻尾食べる?」という不思議な表現が登場します。もちろん、「頭から食べる」「尻尾から食べる」の「モジク現象」なんですが。

誤解する人がけっこう多いのですが、共通語で通常「・・・で」という場面でこの地方では「・・・から」という。そんな単純なことをテーマにしているのではありません。

共通語では場面に応じて「・・・で」と「・・・から」とを使い分けているが、この地方では場面に関係なくどちらの場合も「・・・から」という。ある時、共通語では通常「・・・で」という場面で「・・・から」と言ったら周りの人が怪訝な顔をしたので、「ああ、 『・・・から 』 というのは我々の地方の方言なんだ。標準語では 『・・・で 』 というのだ」という思い込みが生じてそれからというものはどんな場面でも「・・・で」と言うようになった。(つまり「・・・で」と「・・・から」とを使い分けるようにはならない。)
これが私の言う「モジク現象」なのですが、お分かりいただけるでしょうか?しかもこの現象は一生その人から離れません、たぶん。

もし、あなたの職場に新しく赴任してきた社員が「この度、〇〇支店こちらに転勤してきました」などと挨拶したら、その人はまず間違いなく鳥取県出身と思っていいでしょう。


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