ことばの百科店

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敬語はむずかしい
⌘⌘~職場で恥をかかないために~

《ブラジル》ボリビア日本人移住120周年=眞子さまご臨席し盛大に

これ↑は2019年7月19日に「ニッケイ新聞」が配信したニュースの見出しです。
皇族に関するニュースですが、誰からも苦情や叱責が出なかったのでしょうか。
「ご臨席し」という言葉使いに対して、新聞の校正担当者が何の違和感も持たなかったのなら大問題でしょう。

敬語の基本要素として、「丁寧語」「尊敬語」「謙譲語」の三つを教えられた人が多いと思います。私たちのような高齢者はそんな難しい用語を教わらなくても、その三つは話し方の基本常識として身に着いているのが普通ですが。
上記の三つの中で「丁寧語」と「尊敬語」は比較的わかりやすいだろうと思います。(自分自身を「ご自分」と呼ぶ人もいないわけではないのですが、そんな人は例外中の例外でしょうから。"ご自分がお調べします”) でも「謙譲語」となると「何それ?」レベルの人がけっこういるようです。

スーパーで買い物をすることが多いのですが、最近はレジでバーコードを読み取るのは店員が行い、支払いは機械(会計機というらしい)で、というスタイルの店が多くなってきています。もちろん、現金支払いの時に限っての話ですが。
しかし、どうしても手際の悪い客がいて(私のような高齢者に多い?)、支払いに時間がかかりすぎるため、会計機がどれもふさがっていることがよくあります。その場合店員が「***円ご用意になって、しばらくお待ちください」とでも言うのならいいのですが、どうかすると「***円ご用意してお待ちください」とぬかす、いや、おっしゃる店員様が如何に多くいらっしゃることか。

謙譲表現もいろいろスタイルがありますが、基本は「ご〇〇する」「お〇〇する」でしょう。「ご紹介する」「ご説明する」「お話しする」「お待ちする」などなど。あくまでも相手を「目上」に自分を「目下」に置いて、自分自身の(場合によっては自分の身内の)行いを言い表すのが謙譲表現だと私は思っています。
誤解を恐れずに言うと「ご説明する」は「説明させていただく」という言い方にかなり近いです。(厳密には違うでしょうけど)

私が言いたいことはわかっていただけるでしょう。さっきの店員様の言い方だと 客よりもお店様の方が「目上」の立場になってしまっているわけです。(お金を用意させていただく?)
お客様相手の業務に従事している人だけではありません。敬語 特に「謙譲語」の基本的な使い方がわかっていないのに「敬語を使わなきゃ」という意識ばかりが先走っている人がいかに多いか。その結果が「ご用意して・・・」という奇妙な日本語なのかも知れません。
結局、単語の前に「ご」「お」を付ければ敬語になる、尊敬表現になるという とんでもない錯覚が こういった間違いの原因だろうと思います。さきほどご紹介した「ご自分」も原因は多分同じでしょうね。

ですから、冒頭に紹介した「眞子さまご臨席し盛大に」という見出しの「不敬」語ぶりは理解していただけるでしょう。戦前、つまり、大日本帝国の時代であれば苦情や叱責どころでは決して済まされなかったと思います。

「ニッケイ新聞」はブラジル・サンパウロ市に本社を置くニッケイ新聞社が日本語とポルトガル語で発行している新聞だそうです。「それならば仕方がないだろう、ブラジル人なんだから」という人がいるかもしれませんが、それは逆に「ニッケイ新聞」に対して極めて失礼な発言だと私は思います。


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