ことばの百科店

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東京で起こると全国ニュースになる

「××党の〇〇代表は今日、都内で記者団の質問に答え・・・」

ニュースなどでよく聞く(よく見る)表現です。ここで言う「都内」ってどこなんでしょう、なんて訊くと、たいてい

「東京に決まっているじゃない」

という答えが返ってくるでしょうね。もちろん、それは充分わかっているのですが、なぜ「東京」と言わずに「都内」というのでしょう。仮にそれが大阪での出来事であったら「府内で」と言いますか。言いませんよね。
「当たり前じゃん。『都』は東京しかないけど、『府』というのは大阪府と京都府とふたつあるだろう(こいつバカじゃないか)」

なるほど、おっしゃる通りです。でも、ちょっと待ってください。仮にそれが東京でなく北海道での出来事であったらどうでしょうか。

「××党の〇〇代表は今日、道内で記者団の質問に答え・・・」

そんなニュースを聞いたことあります?

「都」が東京しかないのと同じように、「道」は北海道しかないのですが、全国ニュースでこんな言い方をすると思いますか。

北海道内の読者や視聴者に対して、北海道内の新聞やテレビが報道するのだったら大いにありうると思いますが、九州や関西など全国に発せられるニュースでいきなり「道内で・・・」はないでしょう。

じゃあ、「都内」ならいいのは、なぜ?

もうおわかりでしょう。「東京」と言うべき場面で「都内」と言う人間の目線は「日本の中のどこ」ではなく「東京なのか、東京以外なのか」なんですよね。
つまり、九州や関西や東北など全国に情報を発しているという意識は殆どないわけですよ。

遠い外国の大地震よりもご近所のボヤ騒ぎのほうがお茶の間の話題としては大ニュースになりますよね。誰もが経験することだと思います。
しかし日本の代表的な放送メディアがその感覚でニュースを制作したらどういうことになりますか。

何年か前に、東京とその周辺地域で駅の自動改札システムが故障して大騒ぎになったそうです。NHKをはじめテレビ各局はトップニュースで、それもローカルニュースでなく全国ニュース扱いで朝から晩まで大騒ぎしていました。
私が読む毎日新聞(大阪版)は社会面の四分の一程度の軽い扱いでした。なぜこうも違うのかと言いますと、テレビのニュースの多くは東京から全国に発信されるからです。つまり、「地方の大災害よりも東京のボヤ」なのです。(自動改札システムの故障を「ボヤ」扱いしては失礼なのかもしれませんが)

関東ローカルの出来事が「全国の大ニュース」として報道される。それをたしなめる人もいない。キー局と呼ばれる東京のテレビ局がすべてを取りしきる今の報道システムを改めないかぎり「都内で・・・」は消えないでしょうね。
「都心」という言葉は都市の中心部を意味する言葉のはずですが、それを「東京の中心部」という意味に使っているニュースや解説記事がいかに多い事か・・・

それと、NHKだけなのかも知りませんが、「全国のニュース」や「全国の気象情報」はほぼ100パーセント東京のスタジオから放送されますね。なぜでしょう? (最近は必ずしも そうとも言えないようですが)

つい先日のこと(2017年8月)ですが「日本のはるかに台風5号があり・・・」という報道で天気図を確認しましたら、台風は沖縄の海上にありました。私が「東京目線」と呼ぶのはまさにこれなんです。


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